一度きりの青い夏

Tだ

 

ずっと 夏が嫌いだった

 

でも君と過ごしたあの夏だけは

全てを愛おしく思えた

 

青過ぎた俺たちの 1度きりの夏だ


君がいない夏は ちゃんと嫌なことばかりだ

暑いし暑いし暑いし ジメジメするし 寝つけないし

汗はかくし 肌は焼けるし 虫は出るし 散々だ

 

けどいまはこの季節を好きな人の気持ちが

少しだけわかる


今年も嫌いな 季節が戻ってきた

君と過ごした 一度だけの夏を想う


青過ぎるくらいに 突き抜ける空の先に

僕の想い受け止めてくれる 笑顔はもうないよ

大き過ぎるくらいに 浮かぶ入道雲

大き過ぎた僕の気持ちも 今はもうないよ

茹だるような暑さと 湿ったシャツの感覚も

人混みに揉まれて見た花火も

あの夏は輝いていたよ


大嫌いだった夏が 今年も戻ってきた

この季節を また好きになる日は

もう来ないかな ああ

君は今どこで 誰の夏を輝かせているのかな


眩しすぎるくらいに 僕を照らす太陽に

眩しすぎた君の笑顔を 思い出すよ

刺さるような日差しと 焼け付く肌の感覚も

潮風に包まれ見た夕日も

あの夏は輝いていたよ


大嫌いだった夏が 今年も戻ってきて

この季節を また好きになる日は

もう来ないかな ああ

君は今どこで 誰の夏を輝かせているのかな


騒ぐ虫の声聴きながら 眺めたね星空を

はしゃぐ君の声聴きながら 眺めたね星空を

あの夏は いまも僕の宝物だ