粒子の旅路に思いを馳せる

Tだ

 

俺は趣味で宇宙線を観測してる

宇宙線ってのはそもそも人間の目には見えないんだが機械の力を借りて信号を記録してる

 

そもそも俺が生まれたことが奇跡で

人類が生まれたことが奇跡で

地球が存在することが奇跡なのに

何十億年もの間 数え切れないほどの粒が宇宙を飛び回って

それをようやく俺たちが見つけて

でもそれがどんなものかって結局全然わからなくて

なんかの役に立つってわけでもなくて

 

なんだかちっぽけなことで悩んでるのがアホくさくなるような話だよな

 

以下詩 

どんな風に生まれて

どんな風に力を得て

どんなとこへ向かうの

なにもわからない

 

長い長い旅路を

燃える星を横目に見て

凍てつく暗き海を

遠い遠いどこかへ

岩を 穿て

磁場を すり抜けて

始まりの残滓を乗り越えて

行く先も知らずに 前へ進むしかないから

パッと光を散らして たどり着いたんだ

宇宙の果ての青い星に

パッと光を散らして たどり着いたんだ

こんな宇宙の果ての奇跡の星に

誰にも見えやしないのに

最後に祝福の雨をくれてやる

 

長い長い旅路を

遠い遠いどこかへ

音も  鳴らぬ

闇を  駆け抜けて

始まりのその日を忘れずに

行く宛ても決めずに 帰るような場所もないから

パッと光を散らして たどり着いたんだ

宇宙の果ての青い星に

パッと光を散らして たどり着いたんだ

こんな宇宙の果ての奇跡の星に

誰にも見えやしないのに

最後に祝福の雨をくれてやる

 

長い長い旅路を

遠い遠いどこかへ